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昔の使いまわしですが、お祝いの気持ちを込めて。
やっぱり跡部様には麗しいお花がよく似合います。
まあ私の描く花ではゴミのようですが(笑)
何だろなあ、跡部っていまだに特別な存在な気がします。
長く話を書いていたせいか、忍跡の2人って殆ど自分のオリジナルみたいな感覚になっちゃってるんですよね。
昨日久々にお気に入りの忍跡本を読みなおしていたんですが、やっぱり忍跡っていいなあと改めて思いました。
うちの忍跡も本当にたくさんの方に読んで頂いて、本当に嬉しい限りです。
私の書いた忍跡も、こんなふうに時々読み返して頂けたら嬉しいなあと思います。

以下、SSです。
「meltdown」設定(高校生忍足×検事跡部)の番外編という感じで、付き合って割とすぐの頃のお話です。
夏コミで配布した番外編よりも、もう少し前のイメージかなと。
久々に突発で打ってみましたが、さすがに1時間ちょいの時間ではこれが限界。
というか、久しくまともに文章を打てていない私にはスバラシイ快挙かもしれません(笑)




【「meltdown」番外編】


「参考書?」
「ん、欲しいのがあるんやけど、学校の近くの本屋に置いてなくって。ちょっと本屋行ってもええ?」
「別に、そんなこといちいち聞かなくてもいいだろ。時間あるんだし構わねえよ」
金曜の夕方、いつもの通りツタヤの前で待ち合わせをして、そうして向かった先は、いつもの店とは違う、裏通りにある品揃えの豊富な本屋だった。
会社帰りのサラリーマンやOL、それに学校帰りの学生達と、たくさんの人で溢れる店内は、ひといきれで息が詰まりそうになる。
人ごみは嫌いだ。
欲しい本があるなら、インターネットで探した方がよっぽど早いし確実だと思う。
それなのに、
『せやけど、自分の足で歩いて探して見つけた物の方が、手に入れた時の嬉しさが違う気がせえへん?』
いつだったか言われたそんな言葉が忘れられず、文句一つ言わずにこんなところまでついてきているのだから、どこまでも自分はこの男に弱いらしい。
「4階かと思ったら、3階やったみたいや」
ごめんな。
そう言ってエスカレーターを降りる忍足の後に続きながら、ふと、何とはなしに眼下の後頭部を見下ろしているうちに、指通りのよさそうなすんなりと落ちる黒髪の真ん中、僅かに左寄りに存在するつむじに、自分がこんなふうに忍足を見下ろすことなど殆ど無かったのだと気付く。
目線が僅かに違う程の身長差だけでなく、思い起こせば常に自分が前にいることの方が多かった。
いつだってこの男は半歩下がった後ろの、気配を感じ取れる距離にいてくれるのだ。
それを心地よいと感じるだけでなく、当たり前と思うくらい、いつの間にか自分の中の深いところにまでこの男は入り込んでいた。
そうして自分もまた、そんな男の存在を手放したくないと思っている。
いい歳をして十も年下の男に甘えているなど、少し前の自分には考えられなかったことだ。
だがそれでも、甘えずにはいられない甘さがこの男にはあるのだ。
ぼんやりとそんなことを考えていたからだろうか。
「跡部?」
「…っ!」
気配にも気付けず、不意打ちのように振り向いた顔の近さに思わず跡部は息を飲んだ。
だが次の瞬間には、僅かに見上げるような視線のやわらかさに縛られて、そうしてぶわりと込み上げた衝動のまま、手摺りに置かれた腕を掴んで足を踏み出していた。
「ちょっ、跡部?!」
突然の行動に、驚愕した忍足の声が背後から聞こえるも、それを無視してただひたすらに下階を目指してエスカレーターを駆け下りていく。
目的の3階ももうとっくに通り過ぎた。
そうして1階まで漸く降りると、人ごみを縫うように店の外へと一気に飛び出た。
途端に雪崩れ込むようにして耳に入り込む喧騒に、気付けばますます足が早くなっていた。
こんな喧騒の無い場所で、早く2人になりたくて仕方が無かったのだ。
僅かに首を捻って背後を振り返れば、掴まれた腕を引かれてつんのめりそうになりながら、それでも前を走る自分に合わせて走り続ける忍足の姿が目に入る。
その目を見るだけでもう駄目だ。
掴んだ手首の体温の高さにさえも----------欲情する。
目立つ制服とスーツ姿の男2人が走る姿に容赦なく向けられる好奇の視線を黙殺しつつ、人で溢れるセンター街を抜けて、真っ直ぐに駅を目指した。
スクランブル交差点の赤信号を待つのさえもどかしい。
早く、もっとこの体温に触れたいと思う。
だから、
「早くお前に触りたい」
唇を寄せて耳元でそんな言葉を囁くことさえ、何の躊躇いも無かった。
「っ!」
息を乱しながら、弾かれたように視線を向けるその顔が何処か子供っぽいことさえ堪らない。
昨日よりも今日。
今日よりも明日。
安易な言葉だと思いながらも、そうやって日ごと募る気持ちに際限は無いのかもしれない。
----------溺れているのだ。
それもどうしようもないほどに。
「参考書はまた今度一緒に探してやる。飯もまた今度だ」
睨みつけるようにいつまでも変わらない前方の赤信号を見詰めながら、隣にいる忍足にだけ聞こえるように、だから、と続ける。
そうして、
「今日は俺にしておけ」
囁くような声で、そう言った。





お粗末さまでした。
夏コミ配布の番外編といい、跡部の方がすごく忍足を好きなような感じですが、この設定だと10コも年上なので、それくらいガンガン攻めてもいいかなと思います。
そんでもってちょっと忍足がへたれっぽいですが、やっぱりそこは歳の差ってことで。
でもベッドの上ではこっちもガンガン攻めてくれるといいななんて(笑)
ちなみにこれは、前にネズミの国に行った帰り、身長差のある怪しげな若い男2人連れのエスカレーターの立ち位置を見て思いついたネタだったりします(笑)

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