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陳情令35話。
夜の清河が美しい。
月下の橋で魏嬰を待つ藍湛が美しい。
真っ直ぐに伸びた背中が本当に美しい。
そしてそんな藍湛を見つめて嬉しそうに笑む魏嬰が可愛いです。
振り返る藍湛の目がどこまでも優しい。
再会してからずっと魏嬰を見つめる目が優しいのですよね。
16年探していた友とやっと再会出来たのですものね。
すぐに魏嬰の異変に気づいて愁眉の眼差しの藍湛も美しい。
無事に再開出来てほっとしたのもつかの間、ちょっと離れた隙に悪詛痕を移してきてしまうとは、藍湛も気が気じゃないでしょう。
無遠慮に衣の裾を捲り上げたり、江澄に会ったことに言及しているのも心配故。
昔のことを魏嬰が忘れていたことにどこか淋しげな藍湛。
魏嬰のことならただのひとつも不忘なのでしょうね。
どれもこれもが大切な思い出で、16年間ひとつひとつを大切に思い返して生きてきたのだと思います。
そしていくら細身とは言え、平均身長を遥かに超える成人男性をいとも簡単に背負うとは。
さすが含光君です。
魏嬰も魏嬰で暴れるかと思いきや大人しく背負われて、どこか甘えるように大梵山で自分のことを分かったのか?と尋ねたり……。
何だろう、これが知己?本当に知己なの?と言いたくなるくらいの甘い雰囲気に見ているこちらがいたたまれない気持ちになります。
甘い、ひたすら甘い。
糖蜜にひたひたにされた気分です。
魏嬰の甘えた問いにうん?うんとこくんと頷く藍湛が可愛い。
ここのシーン、物理的な距離感も勿論近いですが、囁くような2人の声がやたら甘くて蜜月かしらと思うくらいの雰囲気です。
ただだからと言って露骨に性的な意味合いには感じないのですけどね。
自覚しているかしていないかは別として、明らかに友情以上の想いをお互い持っていながら微妙な距離感が測りきれず、といった感じではないかと思います。
甘いなあと思いながらも有無を言わさず魏嬰を背負う藍湛の表情は大切な友を想う顔でもあり、見ていて胸がつまります。
私の中ではやっぱり原作と陳情令は別物ものです。
そして宿で魏嬰の腕を肩に回して更にガッと肩を掴んで勢いよく扉を足で蹴破る藍湛が男前。
部屋はもうすぐそこなのに。
というか目の前なのに。
そんなに体を支えなくても十分歩けるのに、寧ろ懐桑に自分のものだと見せつけるような独占欲からか、それとも魏嬰が悪詛痕を受けることになった原因の一つでもあると思っての怒りからか。 
後者ですかね。
戦いではあれだけ足技を使うくらいですから実は足癖も悪かったりするのかしら。
しかし蹴破った扉を閉める時は手で静かに丁寧に。
藍湛の本質である雅正はやはり抜けませんね。
魏嬰の為にしっかりお酒も用意していてさすがです。
それもおかわりまで。
気遣いながら座らせてお酒も渡してあげておかわりもすぐに気づいて渡して、まさにいたれりつくせりです。
なるほど、スパダリと言われるだけのことがあります。
それにしても藍湛の魏嬰を見る目は優しいのに他者を見る目が凄い。
まるで虫けらでも見るような目。
ところで仮面くらいで魏嬰だと分からないのは明らかに不自然では?といつも思うのですが、仮面に術がかけてあって本来の姿に見えないとかそんな感じなのでしょうか。
そうでもなければ藍湛が気づかないわけがありませんね。
魏嬰の為に竹を彫り彫りする藍湛が可愛い。
それを見つめる魏嬰が本当に嬉しそうです。
藍湛が自分の為に穴を彫って調えてくれた笛を貰って嬉しくないわけがありませんね。
それにしても琴を弾く藍湛の手が本当に美しい。
大きな手に長い指。
耳や喉仏など、普段気にも留めないところにまで目がいってしまうほどありとあらゆるところが美しい。
一博は本当に人体としてのバランスが良くてどこを見ても美しいと思います。
細身だけど太い首やしっかりした肩幅、逞しい腕、厚みのある体はしかし筋肉が付き過ぎているわけではなく、一切無駄の無い体躯に衣を纏うと見事に胸が真っ平らなので漢服がよく似合う。
すんなりと長い手足が伸びやかで何とも見ていて気持ちが良いです。
細く鋭い目も好き。
ただやっぱりあくまでも役を演じている姿が好きなのですけどね。
話は逸れましたが櫟陽の町で昔を思い出す魏嬰。
あのときと同じ酒楼を選ぶ藍湛。
魏嬰と一緒に来た酒楼にもう一度来たかったのか、あのとき魏嬰が選んだ酒楼だったから入りたかったのか、魏嬰にあの頃を思い出して欲しかったのか……どれもでしょうか。
わざとなのか?と聞かれて答えないあたり意図したところはあったのでしょう。
それにしても自ら酒を煽る藍湛、大丈夫……ではないのですよね。
陳情令と平行して原作もいったりきたりしながら読んでいるのですが、改めて話の繋げ方や作り方が秀逸だなと思います。
だいぶ設定や話を変えているのに、原作の冒涜にはならず、より分かりやすく面白くしているのが凄いです。
やっぱり陳情令版の小説を読んでみたい。
ところでいつも思うこと。
乾坤袖が欲しい。
これさえあれば手ぶらで何処でも行けるじゃないですか。
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