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過去のお話も丁寧に描かれていて嬉しかったです。
沢蕪君から藍湛の生い立ちを聞くシーンは原作でも好きなシーンので、陳情令でじっくり見られて良かったです。
藍湛の戒鞭の跡の話から両親の話。
情熱的な父の母への執着と忘機の魏嬰に対する執着とも言える想いを重ねて沢蕪君は魏嬰に話したのではないかと思ってしまいます。
戒鞭の話はここで話すことで原作よりも自然に感じました。
戒鞭を受けて血を吐きながら誰が正道で誰が邪道ですかと叔父上に問う藍湛がもう……。
藍湛の魏嬰への想いに涙が出ました。
不夜天で共に戦わなかったことへの悔い。
目の前で魏嬰を失ったことへの悔い。
様々な想いから自らへの罰としても受けていたのでしょうね。
でも叔父の気持ちも分かるのです。
一生懸命育ててきたのですよね。
それを捨ててでも魏嬰を想うことを貫こうとする藍湛には間違いなく父の血が流れていると思います。
かつて雲深不知処に連れ帰り隠しますと言ったあの意味はここにあるのかもしれませんね。
母と同じように隠してでも守りたいという強い想い。
そして「知己ならば信じるべきだ」という言葉。
何という想いでしょう。
3年も外に出られず1人寒潭祠に籠もって魏嬰だけを想い、そして外に出てからも魏嬰を探し求め……どれほどの苦しみだったか。
そんな話を聞かされ、ここまで想われていることを知ったらもう、魏嬰も藍湛を信じられないわけがないですよね。
こんなにも自分を想ってくれて、こんなにも自分を大事にしてくれて、こんなにも自分を守ってくれて……。
これを生涯の知己と言わずして何と言えましょう。
そんな魏嬰のもとに天子笑を手に嬉々として現れる藍湛。
ほら、と天子笑を見せながら笑む藍湛がやたら可愛いです。
潭州の宿でお酒を運んでいた時もそうですが、魏嬰の為にいそいそとお酒を注ぐ姿が何処か嬉しそう。
魏嬰の為に何か出来ることが心から嬉しいのでしょうね。
魏嬰の為なら家規を破ることすら最早厭わない(そして兄も最早問わない)
出会った日の初めての夜、魏嬰が持ち込んだ天子笑を見て剣すら抜いていたあの藍湛が手ずから天子笑を持参するとは。
魏嬰が喜ぶ姿が何より見たいのでしょうね。
嬉しそうに掲げる藍湛の笑みが何処かいとけないです。
静室のシーンは本当に素敵です。
重なり合う心。
良いタイトルです。
お互いがお互いを知己として想い合う、しかしそれを言葉にするわけではないのがまた心に響きます。 
こんなふうに信じられて想い合える知己がいたら多幸感に溺れそうです。
ただの恋情でもない知己としての感情。
真実はもうどうでもいいと言う魏嬰。
世界にたった1人、自分を信じてくれる藍湛がいれば他は何もいらない。
そんな想いなのでしょう。
降りしきる雪と2人の姿が本当に美しいシーンでした。
魏嬰が白の中衣のせいか喪服のように見えてやたら色気を感じます。
しかし帯を外しているとか翌日の寝不足な魏嬰の意味やらを書いている方が多々いますが、え、よくそこまで……と思ってしまいました。
どう見ても帯は解いていませんが……?
組んでいた腕を解いた動作に降っている雪と門の茅が重なっただけだと思います。
と言ったら夢が無いのかしら。
でもどう見ても解いていない……。
天子笑片手にもう片方は腰に当てていますが……。
寒室のシーンは単純に魏嬰がいつも起きていない早朝だからかなと思いました。
嬉しくて天子笑をいささか飲み過ぎて起きられなかったのかなと。
そもそも原作でも金光瑶が雲深不知処にやってくるのは早朝となっていましたし。
何となくあの流れからはそういうことを邪推したくないように思うのです。
とは言え何せ原作はあれだけガッツリなBLですからそういう匂わせの意図も勿論あると思いますけどね。
でもそれはそれで良いと思います。
魏嬰の「お前に捧げる」はそうとしか取れないとも言えますし(知己としての想いを捧げると私は受け取りましたが)
ただこれが2人の初夜だったとしても、とても美しい表現でした。
露骨なシーンが無いからこその美しさだと思います。 
個人的にはやっぱり無い方が良いですが。
もうずっと前から恋情も自覚している藍湛と、この夜初めて恋情を自覚した魏嬰が互いに意識して特別な夜を過ごしたくらいのもどかしい感じが好きです。
魏嬰の寝不足は藍湛を意識していろいろ考えてしまって眠れなかったくらいが良い。
原作は良くも悪くもどうしても二次元ですが、陳情令は生身の人間が演じることが不自然に感じない絶妙な脚本や演出になっていると思います。
原作では軽い感じが多いですけど、陳情令では重くもあり、それがより心に響きます。
魏嬰も藍湛も、陳情令のほうが私はやっぱり好きです。
寒室でうとうとした魏嬰を藍湛が咎めなかったり、静室で藍湛が髪を下ろした寛いだ姿を見せたり、そういう何気ない演出が2人の関係性を表しているようで良いなと思います。
ちょっと楽しみにしていたうさぎのシーン。
うさぎ好きを認めた藍湛のやわらかい表情と優しい手付きが何とも可愛らしい。
そして乱葬崗に向かって2人で歩く姿が2人とも何とも嬉しそう。
16年間、こうしてただ並んで歩くことすら出来なかったわけですからね。
それから綿綿のシーン。
藁の上に押し倒さない代わりに綿綿との再会シーンになるわけですね。
民家の物陰から現れる含光君、なかなか凄い絵面です。
あんなに立派な仙師様が自分家の敷地から現れたら驚きますね。
ところで藍湛の蘇渉への侮蔑的な態度が露骨とずっと思っていましたが、そうか、温氏に寒潭洞への入り方を漏らしたあの裏切り者が蘇渉だったのですね!
完全に忘れていました。
そして感動するシーンではありますが、魏嬰がまだ喋っている途中で室内に戻って琴を弾き出す藍湛。
私だったら100年の恋もいっぺんに冷めて人の話を最後まで聞けよと言いたくなるので魏嬰は心が広いのだと思います。
というようなツッコミを入れていたらきりがありませんが。
藍湛の背中の痕を知っている魏嬰に微塵も動揺しない兄も然り(知らないのか?とまで言っているし)、いつも気になるのが剣さえ受け止められる竹笛の強固さ。
それにしても撮影順がバラバラなのか、顔が変わるのが気になります。
10キロ痩せた沢蕪君もそうですが、藍湛もふっくらしていたり眉が違ったり、寒室の藍湛は何だか幼いです。
撮影時の年齢もあるかと思いますが、一博はだいぶ顔が変わるので時々違和感があります。
個人的には夷陵の町の顔が一番ととのっていたように思います。
43話、とても良かったです。
しかし調べてみるといろいろ意味のあるシーンが多くてほほうとなります。
枇杷を投げる、蓮の実を食べる、鶏を贈る、兎……どれも意味を知ると意味深です。
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