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5/4(日) 東5ホール た40a QUELO

新刊 【meltdown】 高校生・忍足×検事・跡部 (P142/¥1000/R18)  

朝の通学の電車の中で、忍足は偶然、痴漢に遭っている女を助ける跡部を見かける。
それから暫く経ったある日、今度は跡部自身が痴漢の被害に遭っているところに遭遇、助けたことから跡部と親しくなる。
そうして自分でも気付かないうちに跡部という男に惹かれていって…。


以下サンプルです。
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忍足侑士が通う、都内でも有数の進学校である氷帝学園までの朝の通学時間はおよそ一時間弱。
その内、二つの路線を乗り継いで、学校の最寄駅までの東急東横線線に乗り換えるまでの、井の頭線に乗っている時間が約二十分と一番長い。
おまけにかなり混み合う為、毎日のこととは言え憂鬱な時間だ。
途中の明大前までの間は身動きが取れない程ではないが、それでも僅かに身じろぐだけで、密着した他人の顔が不快さも露に醜く歪められる。
九月とはいえ、今年の秋は夏がずるずると延長しているように気温の高い日が続いている。
そんな暑さがまだ残るこの季節では、さらに纏わり付くような湿気と熱気に車中の誰もが苦渋の表情を浮かべていた。
扉の上十五センチの場所に貼られた、『弱冷房車』の表示の文字が恨めしい。
それでも忍足は、今よりも暑い夏の間も、それよりももっとずっと前からこの車両のこの位置に乗り続けている。
理由はただ一つ、乗り換えに便利だからだ。
時間を有効的に使いたいと思えば、わざわざ下車駅の改札から遠い車両に乗ろう等と考えたこともない。
ただでさえ、渋谷駅での東急東横線の乗り場までは結構な距離を歩く為、極力無駄を減らしたいと思うのは至極当然と言える。
毎日同じ時間の同じ車両の同じ位置に乗るのが、当たり前のように続いている日課になっていた。
今日もそんな日常の中の有り触れた一日。
そうである筈だった。
襲い来る睡魔に堪え、何をするわけでも無く、おざなりに携帯を片手で弄りながら息苦しい時間が過ぎるのをただひたすらに待つ。
そうして、漸く中程の明大前駅に間もなく到着というアナウンスが流れた頃、ふいに一つ先のドアの方からその声は上がった。
「やめないか」
やけに耳に残る声だった。
凛とした声音が直接脳髄に響き渡るような感覚に、思わず背筋が伸びる。
有無を言わさない硬質な質感のその声に、周囲を取り巻く乗客の視線が自然とそこへと集まっている。
忍足もまた、つられるようにしてそちらへと視線を向けた。
僅かに回りから覗く程の高さにある後ろ姿を見つけ、その真っ直ぐに伸びた背中にそれが先程の声の主だと確信する。
さほど自分と身長差は無い。
高すぎる程でも無いのだが、それでもつい猫背気味に背を丸めてしまう自身とはまるで違う、ぴんと伸びた背中がその性格を表しているようだった。
男が僅かに顔の角度を変えると、重力に従うようにさらりと落ちた前髪の隙間から高い鼻梁が覗いた。
整った顔立ちだということがそれだけで分かる。
昂然とした声に見合った、実に綺麗な横顔だ。
男だと分かっていながら、忍足は思わずその横顔に見惚れた。


まるで初めて意中の女の携帯番号を手に入れたような感覚だ。
今朝方新しく登録された番号を、休み時間だけでなく、授業中までも飽きもせずに眺めていた。
アドレス帳を何度も開き、そこに並ぶ数字と名前を見詰める。
居並ぶ名前の中でも、それだけが特別なもののように感じるのだから不思議だ。
意味も無くその番号を頭の中で反芻しているうちに、すっかり全部の数字を記憶してしまった。
自分の携帯番号すらも危ういのに、そう思うとそんな自分が可笑しくて仕方が無い。
気付けば、自分でもそうだと分かる程に口元が緩んでいる。
「何?また新しいコでも落としたの?」
ふいに、手元の液晶画面に細い影が写りこむのと同時に、そんな言葉が頭上から投げかけられて忍足は顔を上げた。
「ずっと笑ってるよ?」
そう言いながら、伺いを立てることもなく目の前の空いた席に横向きに座り込んだのは、飴色の髪を緩く巻いた、何処か大人びた風貌のクラスメイトだった。
白い太腿が霰もなく見える短いスカートから伸びた細い足を組み、薄く化粧をした顔をこちらに向ける派手な顔立ちの彼女は、よく夜の渋谷で顔を合わせるうちに親しくなった、云わば同類だ。
お互いに遊んでいることを隠しもせず、明け透けな言い方と後腐れの無い気持ちのいい程にさばさばした性格が気に入って、校内でも時々こうして喋る、数少ない友人の一人と言える。
一回り以上年上好みの彼女にとって、自分が完全に対象外と言うのも気楽に付き合える理由の一つだ。
そんな付き合いだからこそ、らしくもなく浮かれている自分を見られるということに酷く羞恥を煽られた。
いつから見られていたのだろうか。
笑っていたという自覚があるだけに、途端に気恥ずかしく感じられた。
「それとも彼女でも出来た?」
遊び慣れたいい加減な男という看板を背負って歩いているような忍足が、一人の本命を作ることなど有り得ないとどこかで思っているのだろう。
言外にそんな相手が出来たならば言ってみろと言われているようで、思わず苦笑を浮かべてしまう。
「そんなんちゃうて」
けれど否定するように言った言葉に、
「だよねえ。彼女くらいでそんな嬉しそうな顔するわけないし」
あっさりと頷かれてしまえばそれはそれで妙に落ち着かないのだから勝手なものだ。
しかし実際、先程までしつこいくらいに眺めていた携帯番号の持ち主は、そんな対象になるような相手でも無いのだから仕方が無い。
女ならともかく、相手は男なのだ。
いくら見惚れる程の美貌の持ち主とは言え、さすがに男相手にそんな気を起こす程、不自由はしていない
「でもさ、そんな嬉しそうに笑ってる忍足なんて、すっごい久々に見た気がする」
「随分な言い草やん」
軽口を叩く目の前の相手に、つい苦虫を噛み潰したような顔を浮かべてしまう。


「奥、ええかな?」
顔馴染みの店員に軽く笑みを向けて答え、
「勿論どうぞ。まだ空いてますので、お好きな席でお待ち下さい」
軽く頷いてから、勝手知ったる店内を奥へと進んだ。
天井の高い店内は開放的で気持ちのいい空間だ。
昼間であれば大きな窓から陽光が差し込む席に座るのが定番だが、禁煙席でもあるので、喫煙者かどうか分からない跡部を考慮して、パーテーションの奥のスペースへと席を取った。
広いフロアに北欧やヨーロッパのアンティーク家具がゆったりと配置されたそこは、ほんのりと薄暗く、アルコールを飲むには雰囲気が適している。
跡部の嗜好は分からないが、全くの下戸ということも無いだろう。
仕事帰りに軽く飲むくらいには、と、そう思ってこの店を選択したのだ。
手前の明るいカジュアルなスペースには何組かの客がいたが、確かに此処にはまだ他に客がいない。
一番奥にある、使い古されて味の出ている革張りのソファーに腰を下ろし、そうして漸く目の前の男へと視線を向けた。
信号で立ち止まった後から一切口を開かない跡部は、何処か憮然とした表情で窓の方を凝視している。
そうしておもむろに、
「慣れてるな」
ぽつりと呟くようにそう吐き出した。
ネクタイを緩め、長い脚を優雅に組んでソファーへと背を預けるその姿は尊大で、けれど彼のその怜悧な美貌によく似合っている。
アームに片肘をついて指先で軽く唇に触れる仕草は、何処か優雅にさえ見えた。
「アルコールを扱ってる店じゃないのか?高校生がこんなところ制服で入っていいのかよ」
「別に、高校生やってこれくらいんとこなんか普通やろ」
確かにアルコールの種類が多いのが特徴の店だが、昼間はカフェとして営業している分、遅い時間でなければ制服姿の学生も少なくは無い。
それに今時、こんな繁華街でアルコールを一切扱っていない飲食店などあるだろうか。
さすがに制服姿でアルコールを飲むことは無いが、未成年だからというまっとうな理由で飲んだことの無い人間がいたらお目にかかってみたいものだ。
それとも、学制服姿の自分と連れ立って入ることに抵抗があるのだろうか。
静かで落ち着いた雰囲気が気に入っている店だからと思って此処に決めたのだが、選択を間違ったのかもしれない。
そんなことを思っていると、
「十年も経つと変わるんだな」
ふいに独り言のようにそう呟いた男が、ふわりと柔らかな笑みを浮かべた。
先程までの不機嫌さが嘘のような穏やかな表情に、思わず視線が釘付けになってしまう。
黙っていると何処か人を寄せ付けない硬質な趣の美貌が、ひとたび笑みを浮かべるだけで途端に華やかさを纏うのだから不思議だ。
仕事柄、そうそう笑うことも無いのかもしれないが、ふとした時にこんな表情を見せられると、余計にもっと普段から笑えばいいのにと詮無いことを思う。
けれどそんな表情を今自分だけに見せているという優越感を、何処かに感じているのも正直なところだった。
「十年なんて大して昔やないやん」
「まあそうかもしれないけどな。でも俺が社会人として働いていた時、お前はまだ中学生とか、下手すりゃ小学生とかそれくらいだろ。結構な時間だと思うけどな」
そう言いながら笑う男の笑みに魅了されながら、どうしてか、胸中は穏やかではいられなくなる。
当たり前に歳の差を感じさせる言葉に、わけもなく焦燥感を感じた。
決して背伸びをしたいわけでは無い。
過去に付き合ってきた女の中には跡部よりも年上もいて、そんな女とも対等に付き合えてきた筈だ。
たかが十年くらいの差など無いに等しいと思っていた。
けれどそう思えたのは、相手が女だったからなのだろうか。
そう考えれば確かに、どんな女も自分がいかに年上だと知らしめるようなことは言わなかった。
こんなふうにはっきりと歳の差を突きつけるような言い方をされたのは、跡部が初めてだ。
どんなに分かり切っていることでも、改めて口にされてしまえば実際問題面白くは無い。
年上だから甘えられると思っていた筈が、いつの間にか、年上だからこそ甘えたくないという気持ちに変わっていた。


唇を重ね、争うように互いの舌を絡め合う。
自分ばかりが求めていると思っていたせいか、跡部から先に伸ばされた舌先に唇を舐められた途端、何もかもが頭の中から吹き飛んでしまった。
押し倒した床の上に、さらに押し付けるように肩を押さえ込んで唇を貪る。
「ん…ッ、ふ…」
濡れた唾液の音の合間に漏れ聞こえる甘い声に、どうしようもなく体が煽られていくのを止められず、急いた欲望が体中を渦巻いて押し潰されそうだった。
滑らかな質感の唇を舌先でなぞり、夢中になってその感触を味わう。
しっとりと吸い付くような唇は、まるでそれ自体が甘い甘露のようだ。
「…ふ…ぅ……ん」
そうして耳に溶け込む吐息混じりの声もまた、ぐずぐずと体ごと溶かしてしまいそうな程に甘い。
昂ぶった体は発熱しているみたいに熱く、腕の中に閉じ込めた跡部の体もまた、衣服を介しても分かる程に体温が上がっているのが伝わってくるほどだった。
唇を重ね、こうして体温を感じているだけで、全身が溶けてしまいそうなほどに気持ちがいい。
今迄にしたキスの数々がまるで子供騙しに感じる程の快感を感じた。
もっと欲しい。
もっと、奥まで感じたい。
湧き上がる欲望のまま、そのキスをもっと深いものに変えようと舌先を伸ばしたときだった。
誘うように薄く開かれたあわいに舌先を差し込む前に、不意に伸びてきた跡部の舌先にぺろりと上唇を撫でられ、閉じていた瞼を反射的に上げる。
「っ!」
そうして、思いがけず視界に入ってきたその表情に思わず息を飲んだ。
はっきりとした欲情を露にした眼差しは、まるでそれ自体が意思を持っているみたいに熱を帯びていた。
散々吸い上げたせいで濡れた薄い唇は赤く染まり、そこからちらりと覗く舌先もまた、熟れたように赤く色づいている。
それらに魅入られたように動けずにいると、ふっと跡部が笑みを浮かべて吐息を吐き出した。
艶然としたその表情に、束の間見惚れる。
それから再び伸ばされた舌先に掬うように唇を舐められたのと同時、首元に回された腕に強く引き寄せられ、気付けば求められるままにまた唇を重ねていた。
だが煽られた熱情に流されながら舌先を伸ばそうとしたした次の瞬間、それよりも先に滑り込んできた熱い感触に、ぞくりと全身が嘘のように震えた。
「ん…」
零れた自分の声の甘さに驚く。
促されるままに開いた唇の間を縫って、細く尖らせた舌先が舐るように口腔を荒らしていく。
歯列の裏をなぞり、口蓋を舐められた途端、どうにもならない快感に勢いよく下肢の間の性器が跳ね上がったのを感じた。
堪らずに腰を僅かに捩ると、窮屈になり始めた下着の布地に擦られて余計に硬く膨らんでしまう。
与えるだけのそれしか知らなかった体が、与えられる快感にどうしようもなく煽られていった。
所在無さげに口腔を彷徨わせていた舌を掠めるようにして、跡部の舌先が何度も何度も、場所を変えては感じるポイントを容赦なく攻め立てる。
されるがままでいられたのはそれまでだった。
実際は幾らも経っていなかったのかもしれない。
「は…っ」
深く息を吸い込もうと跡部が唇を離した僅かな隙をついて、今度は自分の番だとばかりに勢いよく舌先を捻じ込んでいった。
「んッ…ぐ…っ…」
苦しげな声など全く無視をして、欲望のままに跡部の口腔を貪る。
喉を突く程に舌先を差し込み、口腔中を余すところなく掻き回した。
何度も何度も角度を変えて交じ合わせるうちに、だらしなく弛緩した唇の端から、どちらのものともつかない唾液がだらだらと顎を伝って零れ落ちては喉元を濡らしていくのが視界の端に映る。
次第に激しくなっていくそれに、気付けば頭の中が真っ白になって何も考えられなくなっていた。
交わす唾液の混じる粘着質な水音と、絡め合う舌の感触だけが世界の全てになる。
夢中になって重ね続けた唇を漸く解放した時には、まるで全力疾走でもした後のように二人とも息が上がっていた。
ふやけたように腫れぼったい唇の感触に、ずくりと下腹部が疼く。
キス一つで熱くなりすぎた体はもう引き返せない程に昂ぶって、これ以上ないくらいに跡部を欲していた。
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いつものタイプと違って展開のある話なので、あまりサンプルがUP出来なくてすみません。
出会ってすぐのところまでしかUPしていません(キスシーンは別)
この後、いろいろとあーしてこーしてぐるぐるぐるぐるありますので、そのへんは本編でお楽しみ下さい。
色っぽいシーンは、結構こういうキスとかの描写の方が最近は楽しかったりします。
なんていうか、えっちよりもやらしい感じが好きです。
こんな感じのキスも入れると、えちシーンは18ページくらいありました(笑)
今迄考えてみたら、現代パラレルってのも書いたことが無いんですよね。
あ、保険医はありますが。
あれもまあ、ストーリー性はあまり無い話だったので、ここまでしっかりした話は初めてかなと。
あの、ま、実際しっかりしてるかどうかはアレですが…。
とりあえずこんな感じのお話になっております。
いつもの淡々とした感じもありつつ、でも話としてもいろいろ展開のある感じになっているかと思います。
どうぞお手に取ってやって下さいませm(__)m

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